喫茶去

日日是好日。皆様にとって毎日が好き日でありますよう。

                                                                                                                  こなつ

 山椒魚

物語は山椒魚が彼の棲家である岩屋から
外に出ることが出来なくなってしまった所から始まります。
彼は2年もの間に発育しすぎて、頭がコロップ(コルク)の栓のごとくに
岩屋の出口につっかえてしまったのです。


彼は岩屋の中から外の光景を眺めます。
群ででしか動けないめだかを見て、
『不自由千万な奴らであろう!』と嘲笑します。


岩屋の中に紛れ込んだ小エビが山椒魚の横腹に間違って卵を産み付けたりします。
山椒魚はくったくしたり、物思いにふけってる小エビを見て、
そんな一つの事だけにくよくよしてるやつは莫迦だと言い
外に出ることを決心し、岩屋の出口に突進するのです。
でも、彼の頭は出口にひっかかってやっぱり出られないのです。
そんな彼を小エビはひどく失笑します。


彼は涙を流し、神にうったえます。
なぜこの穴蔵に自分を閉じ込めたのか、たった2年間ほどうっかりしていたのが
そんな罪なのかと。
彼は発狂する寸前になります。


岩屋の外では蛙が自由自在に飛び回っています。
山椒魚はそんな蛙を最初感動の瞳で眺めていましたが
そのうち彼は自分を感動させるものから寧ろ眼を避けたほうがいいと思い始めるのです。
山椒魚はすすり泣きます。
『ああ寒いほど独りぼっちだ!』


そうしてる間に山椒魚は意地が悪くなっていったのでしょう。
蛙を岩屋の中に閉じ込めてしまいます。
この蛙は以前山椒魚を感動させたところの蛙なのです。
岩屋の中で、山椒魚と蛙は喧嘩をします。


1年の月日がたっても彼らは喧嘩し続けてます。


さらにもう一年。
今度は様子が少し違います。
蛙が嘆息を漏らしています。どうやら空腹でもううごけないらしいのです。
『もう駄目なようだ』という蛙に山椒魚は尋ねます。
『オマエは今どういう事をかんがえてるようなのだろうか?』
蛙は遠慮がちに答えた。
『今でも別にオマエのことを怒ってはいないんだ』

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という訳で物語は終わります。


2年間もぼうっとしすぎでしょーーーー!!


と突っ込みたくもなります。
私だったら、なんか爆破させても岩屋突破します。
ってかその前に2年間もぼうっとしてません。


まぁ、話はそんなに単純じゃないというのは重々承知です。
山椒魚みたいな人います。
山椒魚だって最初はそんなに意地は悪くなかったはず。
環境がかれを変えてしまったのです。


蛙が最期に悟りを開いたかのごとく山椒魚のすべてを許します。
山椒魚に少しの友情、多分シンパシーみたいなものを感じたのでしょう。


滑稽さとペーソスが一体化してるお話ですよね。

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という訳で、全編ソロ弾きしながら喋りっぱなしで、歌いっぱなしの
30分の大作『箏独奏のための山椒魚』を溝入さんが作ってくださいました。


この曲は皆さまにもいつか聞いていただけたらなと思ってます。
大塚茜ちゃんの『綿あめ』もあるし、
そろそろ再来年頃(←遠っ!)リサイタルかな(^^)



井伏先生!有難うございましたっっっ!!!

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